お袋の味
みなさんにとって、お袋の味は何ですか?
意外と考えてしまうこともあるかと思います。
私も、コレっ!とすぐには出てきませんでした。
それでも母は聞くのです。
「帰ってきたら、何が食べたい?」
・・・笑。
あるとき実家に帰省すると、母は嬉しそうに『松前昆布』を作っていました。
「まだ早いかしら。今朝作ったばかりだから。」
とか何とか言いながら出してくれました。
それは翌日帰省予定の姉からのリクエストで、私の頭の片隅にもない品目でした。
しかし、言われてみると実家を出てからは口にすることがなく、昔から食卓にあったように思います。
それからというもの、お袋の味のひとつに『松前昆布』は数えられるようになりました。
時は経ち、心も満たす食を作ろうと考えたとき、それはすぐに候補となりました。
しかし、作り方がわからない。
母に聞くと昆布やスルメなどがセットになって売られており、調味料も添付されているから以外にも簡単に作れることが分かりました。
そして、ついに作ったのです。
やっぱり、ごはんに合う!!
白菜と人参を好みで入れてもよいとあったので、母が作ったのには入っていたことを思い出し、入れてみました。
味付けも、添付された調味料以外にみりんやしょうゆを加えてもよいようで、完全再現とはなりませんでしたが、懐かしい味がしました。
そして、私も友人に言っていました。
「まだ早いかもしれません。急きょ、今朝作ったので。」
きっと、私も母と同じ様に微笑んでいたことでしょう。
誰かのために作り、少々の不安と期待が入り混じった待ち時間は何とも幸せな時間に感じました。
おまけですが、調べてみると「一週間冷所で保存して作る」とありました・・・。
作るのが今朝では、すでに遅すぎたんですね。笑
母がすべて正しいとは限らないと学びました。
でも、またひとつ友人と私の間にも思い出の食が増え、うれしく思っています。